Claude Code の Agent 機能で 5人のサブエージェントを同時に走らせて、次の記事テーマをみんなで決めた日。出てきた結論は「同じ作業を100回繰り返す前に、自動化する側に回る」という思考の名前と、「会議録自体を記事にしてしまう」というメタ構造の発想だった。
「そろそろ、みんなが為になる記事を書きたいんだよね」
第15記事「USの正体追跡」 を公開して、Day 14 解禁日の朝。プラポリの「予定→参加」も書き換えて、過去14記事の続編リストも一括更新したあと、私は AI(Claude Code)に向かって、そう打ち込んだ。
最初のうちは、自分のブログ運営の記録ばかり書いてきた。WordPress を立てた、GA4 を入れた、AdSense に申請した、海外からアクセスがあった。それはそれで実録として価値はある(つもりだ)けれど、そろそろ「読んだ人の生活が、ちょっと変わる」ような記事を書きたい。
例えば、何かの自動化のアプリを作るとか、仕組みを作るとか。
ただ、ひとりで「次に何を作ろう」と考えても、私の頭の中の引き出しは限られている。いつも記事の構成会議をやっている5視点を、今日は『次の記事のテーマ自体』を決める会議に使ってみたら、どうなるだろう?
──そう思って、Claude Code に頼んでみた。それが、この記事の発端だ。
1. なぜ5視点会議だったのか
このブログでは、記事の構成や採択判断に「5視点会議」というやり方を使っている。過去記事に何度か登場していて、第14記事のGA4答え合わせ や 第15記事のIowa追跡 も、公開直前にこの会議を経由してきた。
5視点というのは、こういう5人だ。
- アフィリエイター視点(ステマ規制・ASP規約・収益化導線)
- 技術担当視点(REST API・スクリプト互換性・実装難易度)
- 顧客視点(30代非エンジニアペルソナの腹落ち度)
- SEO視点(検索意図・低競合キーワード・内部リンク戦略)
- X運用視点(スレッド投稿・シェア駆動句・タイミング)
5人が同じ題材を別々の角度から評価して、リーダー(私)が最後に統合する。第13記事のDMM比較、第14記事のGA4答え合わせ、第15記事のIowa追跡 ── 直近の記事はすべて、この5視点でいったん揉んでから公開してきた。
ただし、これまで5視点が議論してきたのは「もう書くと決まっている記事の中身」だった。今回の題材は、もう一段メタなところにある:「そもそも、次は何を書くべきか」。
Claude Code には「Agent(エージェント)」という機能がある。ざっくり言うと、同じ指示を別々のサブエージェントに並列処理で渡して、それぞれが独立した思考をして、結果だけ私のところに届く仕組みだ。5人がいっせいに別々の部屋で議論を始めて、紙だけ渡しに来る感覚に近い。
私が出したお題は、こうだ:
「Claude Code で実装する『自動化アプリ・仕組み作り』を、3案ずつ提案してください」
5人 × 3案 = 計15案。各視点には、評価軸も渡した(アフィリ視点なら収益化導線の有無、技術視点なら Claude Code 丸投げで成立するか、など)。
そして「会議の様子もブログ記事化したい」と、最初から伝えておいた。だから、この記事は最初から「会議録自体を読み物にする」ことが前提で動いている。
2. 第1ラウンド ── 15案が出揃った
5人の AI が同時に走り始めて、10秒ほどで結果が返ってきた。各視点の最推薦案だけ並べると、こうなる。
| 視点 | 最推薦案 | キーワード |
|---|---|---|
| アフィリ | 記事下CTAボタン自動生成スクリプト | 既存運用の延長・収益直結・Claude Max 元取り訴求 |
| 技術 | 記事ネタ収集 BOT / アイキャッチ量産ジェネレータ | 既存スタック流用・難易度★1 |
| 顧客 | 献立提案アプリ(冷蔵庫の中身→晩ご飯) | 共感★3 + ビジュアル映え★3、家庭層への拡張 |
| SEO | 会議をAIが議事録化する仕組み | 競合不在・独自性最強・メタ構造 |
| X運用 | ブログ会議をAIが議事録化 | Day 14 解禁スレ10連投と相性最良 |
15案の全体は最後にまとめておくとして、ここで私の中で2つ、目が止まった。
ひとつめ。 SEO視点と X運用視点が、別々に「会議をAIが議事録化する仕組み」という、ほぼ同じ案を1位推薦してきたこと。 ── これはつまり「私の『会議の様子もブログに上げたい』発言と、検索意図とX界隈の流れが、同じ方向を指している」という意味になる。3票に近い重み。
ふたつめ。 技術視点の案3が、明確に「却下推薦」だったこと。「読者向けプロンプト診断 Web を作るのは、私では厳しい。Claude API・Vercel デプロイ・課金設計の壁が高い。会議で『やめとく』結論にする方が記事として面白い」 ── つまり、AI 自身が「自分の限界を承知の上で、却下を勧めている」。これはこれで、誠実さがある。
15案を眺めながら、3つの大きな方向性に勝手にまとまってきた。
3. 統合分析 ── 3つの方向性に集約
リーダーとして、15案を A・B・C の3グループに整理した。
方向性 A:メタ構造(会議録自体を記事化)
- 第16記事(これ) = 5視点会議の実録。会議そのものを読み物にする
- 将来の連作 = 「会議をAIが議事録化する仕組み」を実装する話
SEO・X運用の1位推薦が同居している方向性。私の「会議もブログに上げたい」発言と完全合致。独自性は最強で、「議事録自動化」という超低競合のロングテール領域に届く。労力も最小(=会議録は既に生成されている)。
方向性 B:家計簿・献立など、家庭ペルソナ拡張系
- 顧客視点の「献立提案アプリ」「Excel月次集計自動化」
- SEO視点の「家計簿自動分類アプリ」
- X運用視点の「家計簿ボット」
家庭層に拡張できる方向性。ビジュアル映えする。X バズ常連テーマ。ただし、私自身が日常的に使っているわけではないので、実録として書くと「触ってみました」レベルにとどまるリスクがある。
方向性 C:ブログ運営自動化(既存読者層に密着)
- アフィリ視点の「CTAボタン自動生成」
- 技術視点の「アイキャッチ量産ジェネレータ」「記事ネタ収集BOT」
私自身のブログ運営を日常的に楽にする方向性。継続使用でき、配布(GitHub OSS化)した場合は他のブロガーも使える。読者ペルソナ(=ブログ運営に興味がある層)に密着。
4. リーダー裁定と、もう一人の自分の気づき
私のリーダー裁定は、こう出した。
「A(メタ構造)を最推薦します。理由:今日の会議自体が、そのまま記事素材になる。SEO 競合は不在。Day 14 解禁の初弾としてリスクが最も低い。ただし、A 単独でなく A→B または A→C への展開で連作の厚みを生む方が良い」
この裁定を見て、自分の中から想定外の言葉が出てきた。
「今してるのはAで、Cに近いとこもあるよね。だからA→Cがいいと思う」
──確かに、よく見ると今の会議で出てきた15案の多くは「ブログ運営の自動化」、つまり方向性 C の話をしている。CTA自動生成、アイキャッチ量産、記事ネタBOT、議事録ツール ── 全部、ブログを書く人の作業を楽にする話だ。
会議のテーマ(=何を作るか)が、すでに C の話だった。なら、A(会議録)を第16記事に、C(自動化アプリの実装)を第17記事に当てるのは、流れとして最も自然になる。
連作が、ひとつの判断で決まった。
5. 第2ラウンド ── C-1 採用評価会議
C には3つの候補があった。
| 候補 | 概要 | 推薦元 |
|---|---|---|
| C-1 | 記事下CTA自動生成(Markdownにマーカー1個でAmazon+楽天CTA) | アフィリ視点1位 |
| C-2 | アイキャッチ量産ジェネレータ(タイトル入力→PNG出力GUI) | 技術視点 |
| C-3 | 記事ネタ収集 BOT(RSS+Claude要約→WP下書き) | 技術視点(汎用度高) |
私の選択は、C-1。
「C-1がいいと思うけど、みんなはどう思うかな?」
── つまり、もう一度5視点で評価して欲しい、という意味だ。第2ラウンドの会議が始まった。
結果はこうだった。
| 視点 | 立場 | 要点 |
|---|---|---|
| アフィリ | 賛成(条件付き) | サーバー / Claude Max / DMM までCTA横展開可、ブランド化、貼り忘れ防止 |
| 技術 | 賛成(条件付き) | 既存スタックの延長、マーカー記法の拡張性。.env 管理・規約配慮を条件 |
| 顧客 | 慎重(条件付き) | 時短効果は確実だが、ペルソナ狭い。普遍化のタイトル戦略を提案 |
| SEO | 慎重賛成 | 「Markdown CTA 自動生成」競合ほぼゼロ、超ロングテール独占可 |
| X運用 | 慎重(条件付き) | Day 14 解禁初弾には派手さ不足、順序を組み替えて C-1 は2発目に温存を提案 |
賛成 3票 / 慎重 2票 / 反対 0票 ── 可決(条件付き)。
ただし、5人それぞれが「条件」を突きつけてきた。これが、私が一番おもしろかった部分。
顧客視点の秀逸な指摘
「『アフィリリンクの貼り替えを自動化した話』ではなく、『同じ作業を100回繰り返す前に、自動化する側に回った日』のように、ブログを書かない読者にも刺さる普遍的な切り口に寄せた方が良い」
確かに。CTA 自動化はブログ運営者向けの話だが、「100回繰り返す前に自動化する」という思考法そのものは、Excel定型作業や日報や経費入力にも当てはまる。タイトル次第で、ペルソナが2倍にも3倍にも広がる。
X運用視点の順序組み替え提案
「Day 14 解禁の初弾としては地味。C-3(記事ネタBOT)や C-2(アイキャッチ)の方が派手さで上。C-1 は2発目に温存する運用を勧める」
これも一理ある。けれど、私には別の答えがあった。
「Day 14 解禁の派手さは、第16記事(=この会議録自体)で確保できる」。なぜなら、この記事はメタ構造で、すでに派手だから。AI 5人が会議室に並んで議論して、私がそれを覗いて鋭い一言を投げて、リーダーがまとめて連作を確定させる ── それが第16記事の中身。これがDay 14 初弾の派手さを担う。第17記事は、その流れを受けて、内容の堅実性で勝負していい。
リーダー裁定:C-1 採用、タイトル戦略は普遍化路線、順序組み替えは却下(=第16記事のメタ構造で派手さを担保)。
6. 連作の全体像
最終的に、こうなった。
| # | タイトル(仮) | 役割 |
|---|---|---|
| 第16(これ) | 「みんなの為になる記事を書きたい」とAIに相談したら、5方向から答えが返ってきた日 | Day 14 初弾、メタ構造で派手さ担当 |
| 第17 | 同じ作業を100回繰り返す前に、自動化する側に回った日 ── Markdown のマーカー1個で Amazon+楽天 CTA が完成する仕組み | C-1 実装の実録、SEO 競合ゼロ領域 |
| 第18 | AdSense 審査結果の実録 | 2026-04-29 申請、第15記事末尾予告「合否を待つ4日間」の答え合わせ |
| 第19以降 | C-2 アイキャッチ量産 / C-3 記事ネタBOT(=議事録自動化系) | AIワークフロー連作の継続 |
これからは、新カテゴリー「AIワークフロー」を作って、この連作を集約する予定だ。会議系の記事と、自動化アプリ実装系の記事を一括りにできる軸として、ちょうどいい。
7. 【付録】15案リスト(採用されなかった案も含む)
※ 星評価は各視点の推薦度(★3 = 強推薦 / ★2 = 推薦 / ★1 = 却下推薦)
会議録の素材として、5視点 × 3案 = 計15案の全体も残しておく。後から眺めると面白い「採用されなかった案」たちだ。
アフィリ視点
- 記事下CTAボタン自動生成スクリプト ★★★(採用)
- X投稿予約Bot会議録 ★★
- ASP案件横断検索ツール ★★★
技術視点
- 記事ネタ自動収集BOT ★★★(第18候補)
- アイキャッチ量産ジェネレータ ★★★(第18候補)
- 読者向けプロンプト診断Web ★(却下推薦)
顧客視点
- Excel の月次集計を自動化 ★★★
- 献立を一週間分まとめてくれるアプリ ★★★(B方向性の代表)
- PDF領収書を自動でリネーム ★★
SEO視点
- Claude Code で家計簿自動分類アプリ ★★★(B方向性で再検討余地)
- ブログ記事ネタを AI に毎朝提案させる ★★
- 会議をそのまま記事化する AI 仕組み ★★★(=A方向性、第16でメタ実装済み)
X運用視点
- Claude任せで家計簿ボット ★★★
- ブログ会議を AI が議事録化 ★★★(=A方向性)
- X投稿ネタ生成アプリ ★★
採用ではなかった案も、いつか書きたい題材として残っている。家計簿系(B方向性) は、いずれペルソナ拡張のタイミングで戻ってきそうだ。
8. 専門用語のメモ
非エンジニア読者向けに、出てきた用語を3つだけ補足しておく。
- エージェント(Agent):Claude Code 内部で「別のAI」を走らせる機能。5視点会議では、5つのサブエージェントが並列(=同時に)に思考する
- メタ構造:「そのものを話す」のひとつ上の階層から見る。この記事は「会議の中身を話す」のではなく「会議そのものを話す」記事なので、メタ構造
- ロングテール(SEO):検索ボリュームは小さいが、競合がほぼいないキーワード。新しいブログでも上位を取りやすい
- 並列処理:複数のタスクを同時に走らせる仕組み。逐次処理(=順番に1つずつ)の対比語。5人のエージェントが10秒で結論を出せたのは、並列処理だから
- ペルソナ:記事を書くときに想定する「読者像」。このブログのペルソナは「30代非エンジニア会社員、AIで何かやってみたい層」
『AIを使って考えるための全技術 ── 「最高の発想」を一瞬で生み出す56の技法』
今回の5視点会議の発想は、この本に背中を押された。AIを「相棒」として使うための56の技法が一冊に。1人で考えるのが苦手な方や、思考の型を増やしたい方に。
終わりに
会議が終わって、振り返ってみると、AI 5視点会議が出した結論は、ひとつのアプリ案だけではなかった。
- 「同じ作業を100回繰り返す前に、自動化する側に回る」という思考の名前
- 「Day 14 解禁初弾には会議録自体を当てる」というタイミング戦略
- 「タイトルの普遍化で、ブログを書かない読者にも届ける」というコミュニケーション設計
- 「メタ構造の記事は、それ自体が派手さの担保になる」という構造的気づき
──全部、ひとりでは絶対に思いつかなかった視点だ。「読者向けプロンプト診断Webは厳しいから却下しよう」みたいな自己抑制すら、AI が代わりに言ってくれる。
次の記事では、5人が選んだアプリ「Markdown のマーカー1個で Amazon+楽天 CTA が完成する仕組み」を、私自身の手で(正確には Claude Code に頼って)実装する話を書く。同じ作業を100回繰り返す前に、自動化する側に回る ── そういうタイトルを最初に決めて、中身を後から走らせる。
このブログのすべての会議は、Claude Code(Max プラン、月$100) を相棒に動いている。5人のエージェントを同時に走らせるのも、原稿を書くのも、ASP規約の確認も、全部このひとつの環境の中だ。月のコスト感覚については第12記事(初月コスト全公開) と 第13記事(Claude Max vs DMM AI CAMP) で書いた。
会議の進め方、AI の使い方、自分のブログをひとつ整える ── そのすべてを記録しながら、続けていきます。
「Claude Code を触ったことがない」という方も、まずは Claude Code 公式サイト を覗くだけでも、AI を相棒に何かを作る感触が掴めます。
同じ立場で何かを始めようとしている方の、ちょっとしたヒントになれば。
続編記事
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